SSブログ

箱根旅行二日目(3) [おでかけ]

ホテルを後にし、駅までたどり着いた。

父は、横断歩道のあるところまでいくのがかったるいと、車の多い通りを
不自由な足でゴーインに横切り、あわや交通渋滞を引き起こすところであった。
その道には「事故多し!横断禁止!」の標識が
歩道の中に、3mおきぐらいに設置してあるというのに…。

さすがに、今日だけは…と、仏の顔を通してきた私も
このときばかりは、語気を荒げて止めていたのだが
ちょっと目を離したすきにやりやがった…。

普段なら、こういうとき、横断歩道まで遠回りしてきた私達を待ち構えて
「もたもたしてっから渡れないんだ!」と、怒鳴りつけるはずの父。
さすがに、車を停めまくったことは悪いと思ったらしく、おとなしかった。
改札くぐったら、もう忘れたみたいだったけど。

さて一方。
一見、おとなしそうに見える母が
ホテルにチェックインしたときに、フロントで手に入れて
ずっと大事そうに持っていたのが、某美術館のリーフレット。

父も弟も西洋絵画などに興味がないのはわかっていたが
そのリーフレットを私に差し出し、「ここって遠いかなぁ?」と控えめに尋ね
自力でガイドマップを丹念に調べる母に心打たれたので
芸術に触れに行くことにする。

残念ながら、その美術館はやや遠かったので
彫刻の森美術館に向かう。

ここでは、案の定、父と弟の二人は興味を示さず
カフェで待っているというので、母と二人でまわる事にする。

本当はゆっくりまわりたいし、時間も余裕を持って計画してあったので
全部廻ってもいいくらいだったのだが、父は何しろ短気でせっかち。
多分、ガマンしても1時間がいいところだろう。

母なら、さほど破天荒な行動には出ないと安心して
まずは室内のギャラリーに向かったのだが…
やっぱり、やってくれた。
母、彫刻を、こぶしで「コンコン」と叩いたのだった。

係りのおねーさんたちの眠ったような顔が
一瞬ですさまじい形相へとかわる。
さながら、人形浄瑠璃のお姫様が夜叉にかわったときの
「がぱー!」と口が開くときを見ているようだった。

「さわっちゃダメって書いてあるからね?ね?」とひきつった笑顔でたしなめ
そこから先は、展示物を見るどころか
母の行動に目を配っていなければならなくなった。

どうにかこうにか、室内を見終え、出口に行くと
オープンカフェで待っているはずの弟が
ギャラリー内にアイスコーヒーを持ち込もうとして案内のおねーさんに注意されており、
それに対して
「ここのおねーちゃん、おっかねぇから出てくべぇ~。がはは!」と
でっかい声でさわいでいる父の姿までみえるではないか…。

おまいらは!なんでほんの10分くらいがおとなしく待てんのじゃ!

そのあと、母と公園内を省略気味にめぐり
父と弟と合流したのち、ようやく私がトイレに入れたのは
すでに13時近かったのだった…。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行・地域(旧テーマ)

nice! 1

コメント 2

スペシャルエアー

朝から一回もトイレに入らずに13時までですか!?
壮絶ですね、、、
この旅行中に満月堂さんにも何か楽しい事がひとつでも
起きれば良いと思って読んできましたが、
今は早く無事に終わってと祈るような気持ちになってきました、、、
by スペシャルエアー (2005-06-29 18:39) 

満月堂

うわー…。本当にまめに読んでくださったのですね(感涙っ
しかも心優しいコメントに、さらに涙倍増計画でございます(滝涙っっ

だいじょぶです。だいじょぶです。
なんだかんだといいながら
私はこの家族と血がつながっております。
おそらく負けてませんよ。

そう…。
私も他から見れば、多分、こんな感じにやってしまっているタイプなのだと
思いますですよ…。
by 満月堂 (2006-01-04 17:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。